来日直後の所得税が20.42%?6か月の研修契約でも見直せる可能性

日本で働き始めたばかりの外国人の給与明細に、所得税として「20.42%」が引かれていることがあります。例えば月給20万円なら、所得税だけで40,840円です。

「来日して1年経っていないから」「最初の契約が6か月の研修期間だから」と説明されるかもしれません。しかし、在留期間や研修契約の長さだけで、税法上の非居住者と決まるわけではありません。

なぜ20.42%が引かれるの?

日本国内で働く「税法上の非居住者」に支払う給与は、原則として20.42%の所得税・復興特別所得税を源泉徴収します。一方、「税法上の居住者」の給与は、社会保険料等を差し引いた金額や扶養状況などに応じて、給与所得の源泉徴収税額表で計算します。月給20万円でも、居住者として計算するなら毎月の源泉所得税が数千円程度になるケースがあります。

注意:税法上の「居住者」と、入管法上の在留資格「定住者」はまったく別の概念です。また、在留カードの期間が1年であっても、必ず税法上の「非居住者」になるわけではありません。

研修契約が6か月でも「居住者」になれる?

可能性はあります。所得税法では、生活の本拠(住所)が日本にある人は、来日後1年を経過していなくても居住者です。住所かどうかは、住まい、仕事、家族、資産などの客観的な事情で判断されます。

さらに、所得税法施行令第14条は、日本で継続して1年以上居住することを通常必要とする職業がある人について、国内に住所があると推定すると定めています。

国税庁の質疑応答事例でも、1年未満の契約であっても、実質的に複数年間の契約と同視できる場合には居住者に該当することがあると説明しています(事例はプロスポーツ選手についてのものです)。したがって、「6か月は研修・試用期間で、その後に長期雇用を予定していた」という事情は、会社に再判定を求める根拠の一つになります。

ただし、単に本人が長く働きたいだけでは十分とは限りません。研修後の採用が白紙で、本当に6か月だけの仕事として募集されていたなら非居住者と判断される余地もあります。

会社には何を確認してもらえばいい?

  1. 来日時の採用方針:研修終了後の長期雇用を予定していたか。
  2. 証拠となる資料:求人票、採用通知、雇用契約書、研修計画、在留資格申請時の雇用関連書類、会社からの説明メールなど。
  3. 日本での生活実態:住居、継続勤務の予定、家族の状況など。
  4. 税務上の再判定:これらを踏まえ、入社時点から居住者に該当したかを人事・経理担当者に確認してもらう。

会社が判断に迷う場合は、関連資料を整理し、所轄税務署の源泉所得税担当に具体的な事情を示して照会してもらう方法があります。

税金が引かれ過ぎていた場合、誰から返金される?

最初から居住者だったのに誤って20.42%を徴収したと判明した場合は、会社が源泉徴収を再計算し、本人への精算・返金を進めるのが基本的な対応です。会社が税務署に納め過ぎた源泉所得税は、会社側で「誤納額還付請求」または「誤納額充当届出」により調整できます。

反対に、当初は正しく非居住者だったなら、その期間の20.42%が、後で長期雇用契約を結んだという理由だけで自動的に返金されるわけではありません。通常の年末調整を待つだけでは解決しないことがあります。

同じ状況の同僚がいる場合は?

同じ会社に「6か月の研修後、長期雇用予定」という条件で来日し、同様に20.42%を引かれている人がいれば、一緒に人事・経理担当者に確認を申し入れる方法もあります。会社にとっても個別の要望というより、同じ採用条件の社員に対する源泉徴収の適正化として検討しやすくなります。ただし、最終的な居住者判定は各人の事情によります。

会社に伝える日本語の例

採用時から研修終了後の継続雇用を予定していた場合、所得税法上、来日時から居住者に該当する可能性があると知りました。国税庁の取扱いと採用時の資料に基づき、現在の20.42%の源泉徴収が適切か再確認していただけますか。必要であれば、会社から税務署に照会していただきたいです。

公式情報

2026年10月時点の一般的な制度説明です。税務上の居住者判定と税額は個別事情で異なります。税務代理・税務申告などの専門的な手続きは、税務署または税理士への相談が必要になる場合があります。

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